YouTubeの年間?月間?の総再生時間をTikTokが抜いたというニュースを耳にした。
子どもの憧れる職業1位にもなったYouTuberといった新しい職業を生み出し、Googleの傘下となったYouTubeだが、後からやってきたTikTokの快進撃に脅かされているそうだ。
ここでは、TikTokの快進撃について調べる前、リサーチする前に、実際にアプリを眺めている中で感じたTikTokの強み、戦略を仮説ベースで記載していく。
例えば、TikTokはなぜそもそもショート動画限定にしたのか。
YouTubeは1本の動画ごとに、ユーザーがどのくらい動画を見ているか、どのパートが1番反応が良いかなどを分析できるクリエイタースタジオという分析ツールがある。
そうしたものや、統計データなどを使って、視聴者の動画の視聴時間が落ちているというデータを導き出したのだろうか。
あるいは、長時間の動画を全て見る人であっても、途中でスキップしたり、倍速で見たりする傾向があることを掴んだのだろうか。
この傾向はいくつかの書籍にもまとめられていて、現代では可処分時間の奪い合いの中で、要約サイトや倍速視聴などが流行っているそうだ。自分自身もその傾向がある。
時間がない中で結論をすぐに求めようとする意識がそうさせるのだろうか。
理由が何であっても、とにかくユーザーのショート動画へのニーズを掴み、短時間で面白く、結論が分かる動画にシフトしたのは、時代の流れを的確に読んだサービスと言う他ない。
インスタやTwitter、TikTokなどのように、あえて制限をかけるから生まれる良さがあるのは、様々なSNSの変遷を見ているとわかる。
そして、SNSは流行り廃りも激しい。Facebookなどは、流行していた同時に使いまくっていた今の30代40代ばかりが利用しており、若い人はどんどん新しいSNSに乗り換えていく。
時代の流れ、社会全体の雰囲気や潜在ニーズの変化に伴い、流行のサービスも変わっていく。
個人的にもその波を見誤らないよう、遅れないようにしたい。
TikTokはネタが尽きない。他にも、TikTokの登録者を増やすための各種工夫、UXに唸ったり、搭載されているアルゴリズムの凄さに驚愕したりしている。
例えば、新規アプリ利用のハードルは登録のめんどくささが大きいが、TikTokは違う。
TikTokには、Facebookやインスタ、ブラウザなどでTikTokと連携したショート動画をクリックした時、アプリに飛ばして登録を促すアルゴリズムがある。そして飛ばされた先の登録自体も簡単。
インスタグラムにもTwitterにも似たような機能があるが、TikTokのものは更に強烈だ。
アプリをインストールしなくても見られるには見られるが、ブラウザなどで見ていると途中で見られなくなるし、横から勝手に流れてくる動画が魅力的で思わず登録したくなる。
そして、スワイプという仕組みも画期的だ。
インスタやTwitter、Facebookのように、静止画やテキストのスワイプは普通だが、YouTubeなどの動画メディアは、スワイプではなくクリックして視聴が基本だった。
しかし、TikTokはスワイプしてサクサクショート動画を見られるUXを設計し、気づいたら時間を溶かしているという体験を作り出した。
そして、スワイプ先もテキストではなく、注意を引く力の強い動画なので、思わず見てしまう。こうして我々の注意は釘付けにされていくのだ。
また、搭載されているAIは、見た動画、視聴時間、いいねなどのリアクションをした際に即座に反応し、自分好みの動画ラインアップに即座に変えてくる。
さらに、投稿時に動画に合った音楽を自動で選んで提案してくれる。グルメ系の動画なら、そうした音楽が。海の動画なら海っぽい音楽が自動で提案される。
この仕組み、ぶっちゃけとんでもなくスゴイと思う。
ちなみに、低評価ボタンを設けていないのも特徴だ。
こんな感じで、TikTokは様々な場面でUXの拘りが見られ、それが的確にユーザーのニーズを掴んでいると思う。
そして、油断するとすぐにTikTokに注意を持っていかれる。
これからのTikTokの動向に注意を払いつつ、自分の注意は奪われないようにしたい。